第17講 Webディレクターはファシリテーションスキルも必要

WEBマーケティング講座 Marketing
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Webディレクターとはどんな仕事か

Webサイトの制作スタッフを統括し、進行管理、品質管理などを行う制作責任者
のことです。成果物の質に責任をもちます。

クライアントや制作メンバーの中に入り、制作スケジュールの管理や各工程の指揮をとります。

Webサイト構築にあたり、企画や編集、デザイン、プログラミングなど、Webサイト制作の各工程の品質・スケジュール管理をしながら、各工程を担う専門家(デザイナーやエンジニア、カメラマンなど)に指示を出し、進捗を把握するなどのマネジメントを行うのも役割です。

また、クライアントへのヒアリング、企画の提案、制作に関する窓口など、クライアントとのコミュニケーションもWebディレクション業務に含まれます。

Webサイト制作において交通整理・意思決定する人が必要。それがWebディレクターになります。

Webディレクション業務の流れ

Webディレクションの基本的な業務は以下です。

進捗管理とは?
進捗管理とは、プロジェクトをスケジュール通りに円滑に進めるため、メンバーのタスクが計画通りに進んでいるかどうか進捗状況を管理すること。

プロジェクトは複数人で行うため、成し遂げるには進捗管理が不可欠 となります。進捗管理する際には、組織や個人のタスクとスケジュールを可視化して全体像が分かるようにすることが重要です。

進捗管理はなぜ必要か
①納期の遅延を防ぐ
プロジェクトには必ず納期があります。進捗管理を行うことで、遅延が発生しそうな場合の対策を事前に把握・改善することで、遅延を防ぐ効果があります。

②問題が起こったとき早期発見と解決策の検討ができる
プロジェクトには問題がつきものです。日々の進捗を記録して管理することで、問題が発生した場合に早期発見となぜ起こったのかの原因から解決策の検討ができます。

③生産性の向上
進捗管理を行うことでメンバーが目標に向かって効率的に作業を行うように各自が意識するという効果が見込まれます。プロジェクトによっては数年単位のプロジェクトもあります。そうした期間の長いプロジェクトでは、途中でこのプロジェクトの目的や目標を忘れてしまいがちですが、進捗管理があることでメンバー全員が何に向かって今の業務を行っているのか可視化でき、常に目標を見失わずに業務を行うことが可能です。
また、途中で退職者が出た場合に、引継ぎ者にとっても、これまでの行ったことや今後することが進捗管理表を見ると把握できるため、そういった場面でも役に立ちます。

Webディレクションの進捗管理の計画と設計  

進捗管理は以下の流れで行います。
①タスク化:業務を進行順に分解していきます。

*広告業務の場合

タスク化の例

②スケジュール化:誰が何をどれくらい(量と期間)行うかの設定 します。
予定通りに進まないことを想定して予備日を確保しておくと良い でしょう。
いつ、だれが、何を、どのくらい行ったかを定期的に確認するようにします。

進捗管理で絶対にやってはいけないこと
進捗管理で重要なポイントはメンバー全員が進捗を確認できるようにすることです。そのため、個人PCにデータを保管することは絶対に避けるべきです。
そのために、共有フォルダを予め準備し、プロジェクトに関わる資料はすべて共有フォルダに格納していくようあらかじめルールに定めましょう。

進捗管理用ツールの代表例
管理する方法としては、WBSとガントチャートが有名です。

WBS(Work Breakdown Structure)は作業分解構造図とも言い、タスクを分解して構造化する手法です。タスクを抜け漏れなく洗い出すために活用します。

wbs例

ガントチャートは、プロジェクトや業務全体像を把握しスケジュールを管理するツールです。誰が何をいつまでにするかを可視化することができます。

ガトンチャート 例

進捗管理表の作り方
進捗管理表は以下動画をもとに作ってみましょう。

注意すべきポイント

注意点は以下2点あります。
①進捗管理をする上では、残っているタスクに重点を置くことが大切

この業務はいつ完了するかを把握し、予測することで、ゴールから逆算して予定通りに進むにはどうすればよいか考えていきます。

進捗は「予定通りにできたかできていないか」「いつなら完了できるか」を確認することが重要です。

悪い状況のときほど、
早く正しく申告する
どうすればできるかを一緒に考える
とプロジェクト開始前にメンバーに周知しておきましょう。

②人、金、時間をプロジェクト完了から逆算して調整する
安易に遅れているタスクに人を補填すると、補填された人が元々行っていた順調なタスクが崩れてもっと遅れる可能性があります。
完了までにあとどのくらいの「人が必要か、金が必要か、時間が必要か。」の人・金・時間の軸で調整していくことが重要となります。
進捗管理はチームで行う際は非常に重要となります。また、今後ディレクターやマネージャーのポジションになってくると、自分がメンバーのタスクを管理することになります。

Webディレクターに必要なファシリテーションスキルについて

Webディレクターは会議のファシリテーターを担う場面が多くあります。ファシリテーションスキルについてもご説明します。

ファシリテーションとは?

NPO法人日本ファシリテーション協会によるファシリテーションの定義:

ファシリテーション(facilitation)とは、人々の活動が容易にできるよう支援し、うまくことが運ぶよう舵取りすること。
集団による問題解決、アイデア創造、教育、学習等、あらゆる知識創造活動を支援し促進していく働きを意味します。
その役割を担う人がファシリテーター(facilitator)であり、会議で言えば進行役にあたります。

参考:https://www.faj.or.jp/facilitation/

つまり、ファシリテーターはただ進行すれば良いというわけでは無く
その会議の目的を達成できるように進行していくことが大事です。

ファシリテーションスキル

ファシリテーターに必要なスキルは以下の4点です。

①場のデザインスキル

会議を円滑にするための会議の環境を整えるスキルです。何を目的に誰を集めてどういうやり方で議論していくかを決めていきます。
アジェンダの作成とその内容を会議メンバーに事前共有することが重要となります。

②対人関係のスキル

会議メンバーに意見を言ってもらうためのスキルが必要です。良質な会議の条件はできるだけ多くの意見を出してもらうことです。これをファシリテーション用語では「発散」と言います。

メンバーの意見をきちんと聞いて受け止める「聞く力」、そして意見を言ってくれたメンバーを励まし勇気付けるための「伝える力」の両方が必要となります。

③構造化のスキル

構造化とは議論の内容を体系的にわかりやすくまとめることです。会議の中で意見が発散された後は、情報をまとめる時間に移ります。議論の全体像を整理して、以降議論すべき論点を絞り込んでいきます。

④合意形成のスキル

最終的な決定を下すためのスキルです。話をまとめるだけでなく、そこから何をするのか、もしくは何を選択するか、その決定で良いのか。このような合意形成までがファシリテーターの仕事になります。

ファシリテーションの流れ

①アジェンダの作成

次の5つの事柄を明確にしてメンバーに事前周知します。

・日時
・場所
・参加者
・議論の順序
・配布資料

②オープニング

メンバー全員にアジェンダを見てもらいながら、会議の流れと最終的なゴールを確認して共有します。アイスブレイクとして場を和ますような質問を投げかけるなどの時間を設けると良いです。

③情報格差を埋める

議論に関する内容で、必要な情報をキャッチアップする時間を設けましょう。例えば、プロジェクトの立ち上がり背景や今の課題、これまでの施策や調査の状況などです。

議論をするにあたって、全員が議論に参加できるように、1人でも情報を知らない状態が無いように埋めていきます。

④議論

まずはメンバーの意見を引き出していきます。

引き出すコツとしては以下があります。

・考える時間を設ける
・答えやすい形で質問する
・パスもありにする
・ポジティブにフィードバックする

そして、出てきた意見をまとめていきます。意見をまとめるときに便利なのがフローチャートやツリー図などの図表です。

⑤クローズ

決定事項の共有と振り返りをしましょう。
そして、議事録担当に今日の議事録を早めに関係者に共有するように伝えておきましょう。

是非、会議のファシリテーションをする際は上記を意識するといいです。
重要な点は、常に事前に設定した目的が達成できているかを意識することです。

前回までの講義 まとめ リンク一覧

第16講 Webサイトを企画しよう ゼロから学べるWebマーケティング講座

第15講 Webデザイン・サイト制作 WordPressのブログ運営

第14講 WordPressサイト構築

第13講座 WordPressのブログで記事を作成しよう

第12講 初心者でもできるWordPressブログ作成

第11講 SNS攻略 バズるTwitter作成の方法を紹介します

第10講_SEO対策記事の制作方法について

第9講 SEO対策記事を書くポイントまとめ

第8講 デザイン Canva(キャンバ)で簡単にデザインが出来る

第7講 ライティングの基礎~セールスへの応用までの全体像

第6講 バナートレースとは クリエイティブ概論 Webデザイナー講座  

第5講 市場・顧客のニーズ分析 無料でゼロからWebマーケター講座

第4講 SNS運用概論 Instagram,Twitter等各SNSの違い

第3講 ビジネス資料作成 エクセルやパワーポイントをマスターしましょう

第2講 集客できるWeb制作の基本 顧客理解 ペインを見つけるジョブ理論

第1講 マーケティング基礎 未経験からWebマーケターになれる無料講座

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Mai

1989年、兵庫県神戸市東灘区生まれ。 関西大学法学部法学政治学科卒業。外資CRO、外資大手消費財メーカーのマーケティング部勤務を経て、 外資系IT(米国最大手の通信会社)にて5年間勤務。 TV電話会議システムの日本支社営業統括を担当。 多くのエンタープライズ企業にSaaSシステムを導入。年商13億円の日本法人のカントリーマネージャー。 現在はすべての人が自分らしく生きれる社会をめざして、独立開業。 オンラインにて心理カウンセラーの仕事をしている。Webマーケティング・Webデザインにも精通。

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